2021.08.13
DXという言葉がだいぶ浸透してきましたが、その意味するところを誤解している会社や個人が多いように思います。その誤解故に、IT化を進めた結果、当初期待した効果が見込めない実例が多いように感じています。
皆さんはDXの本質を理解されておりますでしょうか。
今回のテーマではDXを扱いますが、実際に個人事業主や企業がDXを進めるにあたって、特に多い誤解、かつ、DX推進を失敗に招く誤解を取り上げて説明しています。
イメージ図では、「業務フロー・業務手順」を「道」に、「ITツールといった作業を行う手段」を「移動手段」に見立てて説明していますので、これを前提に見て頂けると理解しやすいかと思います。
DXの誤解を理解することでDXの本質を理解しやすくなると考えています。DXの推進を考えている個人事業主や企業の方は是非参考にして頂ければと思います。
たとえば、目的に向かって現在の道を歩いている現状に対して、新しい移動手段として車を導入する場合、確かに、「現状」に比べると目的に早く到達することが出来るかもしれません。
しかしながら、手段はあくまで手段であって目的ではありません。DXにおいても、手段を変えることがDXの本質ではありません。ITツールの切替・導入さえすれば、DXが実現するという考えは全くの誤解です。
たとえば、目的に到達する為に通っている現在の道は実は遠回りかもしれません。目的達成の道は一つではありません。右回りでも左回りでも同じ目的に到達する道はあるはずです。
また、時が経過すればより近道ができているかもしれません。更に、技術の発達により飛行機を使っていく道もあります。現在の道が正しいという誤解は捨てる必要があります。
DXにおいてもITツールの発達に伴い、今までの業務フローが正しいと考えるのではなく、業務フロー全体の見直しが必要です。
たとえば、現在使っている道をたどって移動手段を考えると移動手段が複雑になり、移動のコストが高くなる可能性があります。多少歩いてでも、メインとなる移動手段である電車を一本利用して目的を目指す方がシンプルでコストが抑えられる可能性があります。この場合、メインとなる電車をどう活用するかを考えた方が効率的で効果的です。
DXをにおいても同様、業務にITツールを合わせるのではなく、ITツールに合わせて業務を考えた方が効率的で効果的です。ITツールをベースに考えることで、業務がシンプルになり、汎用性が高く、結果として効率性とコスト削減の実現を達成しやすくなります。
DXは新しいITツールの導入・切替をすれば実現するものではありません。ITツールは魔法のツールではありませんので、しっかりと業務フロー自体の見直しを行わないと当初意図した効果を得ることはできません。今回提示した誤解はDX推進で失敗する典型例です。この失敗例を参考にDXの進め方を見直して頂き、ITツールの導入を少しでも円滑に進めることができると嬉しいです。
バックオフィス業務のDXを進めるためには、会計や税務等の業務の目的を理解し、時には既存の業務フローの破壊と創造が必要となります。また、業務目的を達成するためにどのITツールをどのように使うかを検討する必要があります。
当社では、ITを活用した業務全体の再構築、すなわち、目指す目的、与えられた条件、取りうる手段を組み合わせて新しい業務フローを作ることを「業務をデザインする」と考えています。当社はこの「業務をデザインする」ことが得意です。
中小企業ではリソースが限られる為、バックオフィスの専門家を企業内で確保することは難しく、その為、企業内で「業務をデザインする」ことができないのが実情ではないかと思います。DXの成功の為には、この「業務をデザインする」ことが不可欠となります。DXを検討される際には「業務をデザインする」ことが得意なTAIKO PARTNERSにお気軽にご相談ください。